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空気ガイガーカウンターキットを作ってみた

 福島第一原発事故以降、原発事故・放射線・除染・被曝といったキーワードへの関心が高まっています。私の住んでいる地元でも、毎週金曜日に反原発集会が行われたり、自治体の首長が中心となって大学の研究者と市民団体との間で対話集会を行って活発な議論が行われるなど、市民団体を中心に関心が高まっているようです。
 私自身は、市民活動に詳しい知人が多いという個人的な事情から、こうした動きにも注目していました。市民の間から自発的な行動が始まることは、住民の自治意識が高まったとも考えることができ、喜ばしいと考えられますが、特に科学技術が絡むテーマで市民活動をするに当たっては、科学的に判断する力や常に科学を学び続ける姿勢も同時に持ち合わせることで、その活動を実質のあるものにできるはずです。
 それは科学的に正しい知識のもとで被曝から身を守るということでもあり、社会的な意味としては安全論に盲従したり危険論を扇動することなく、冷静に事態を見守り冷静に身を守るということでもあるはずです。また地道な情報収集は、市民団体がデモでしばしば口にする「真実を知」る近道でもあるはずです。
 それでは、「安全」にしろ「危険」にしろ、議論の元となる数字はどのようにして計測されるのでしょうか。私は以前の記事でガイガーカウンタの製作についての本を紹介しました。

Mr.Ouchのブログ『図解入門よくわかる最新線量計の基本と作り方』
http://ooutitakasi.blog14.fc2.com/blog-entry-324.html

ここで私は「本書で紹介されている製作に取り組む前にガイガーカウンタのキットに取り組んでみるのも、過渡的にはいい体験かと思われます。」と書きました。そこで、私自身も実際にキットを購入してガイガーカウンタを作ってみることにしました。
 今回製作したのはビット・トレード・ワンの「空気ガイガーカウンターキット」です。

空気ガイガーカウンターキット空気ガイガーカウンターキット
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Bit Trade One

商品詳細を見る


開発元のビット・トレード・ワンのサイト
http://bit-trade-one.co.jp/BTOpicture/Products/002-GM/(外部サイト)

ガイガーカウンターのキットはいくつか市販されていますが、その多くは計測部品の中枢となるガイガー・ミュラー計測管(以下、GM管)に旧ソビエト製のSBM-20と呼ばれる部品を利用していると思われます。しかし、この「空気ガイガーカウンターキット」について、私が面白いと思った点は、このGM管そのものを自作してしまうところです。これは非常に手間がかかるのですが(私自身、GM管の作成だけで徹夜しました。)、その分、ガイガーカウンターの構造を学ぶ上でも、趣味の工作としても非常に得るところの多い体験でした。途中、節々で撮影した写真が少しだけありますので、ご覧ください。

geiger1

GM管を作る際に、電極やシールドなどの部品製作のために紙、アルミホイル、ラップを切り出す必要があります。私の場合はこのように型紙を作りました。

geiger2

引き続き、GM管に導線を接続します。被覆の切り出しに苦労しました。私の場合はカッターで慎重に被覆を切り取りました。導線で電極を作るのは非常に骨が折れるのですが、一本一本丁寧にニッパーで切り取りました。最後の一本になるまで気が抜けませんでした。

geiger3

導線が出入りしている穴をエポキシボンドで固めます。このようにしてGM管が完成しました。GM管は買えばいいといえば確かにそのほうが効率的なのですが、それだと極端な話、ただの半田付け作業で終わるのと大して変わりはありません。このキットはホビー用途となってはいるのですが、ここまで作ることには一定の学習的な意義を見出してもよいと思われます。

geiger4

基盤の方は、それこそただ半田付けを繰り返すだけのカンタンな作業ですw
ここでちょっとカンタンな改造を試みました。

geiger6

GM管をケースに載せるのですが、このときに基盤との間に厚紙を仕込ませました。GM管の中には100円ライターのガス(ブタン)を充填する必要があるのですが、こうすることでGM管に使っているフィルムケースが少しだけケースからはみ出た形になります。これでいちいちケースを解体しなくても、カンタンにガスを充填することができます。ガスがカンタンに充填できるようになることのありがたみは、調整のときにわかります。(あくまで参考です。実践は自己責任でお願いします。

geiger5

完成しました。液晶に表示されている数字は、まだ調整前の数字なのでデタラメを言っています。これをマニュアルに従って根気強く調整していきましょう。私の場合は調整に手間取り、結局、製作時間以上の時間がかかりました。電池もべらぼうに食いますので、安定化電源の使用も考えた方がいいかもしれません。

 恐らく、このキットの出来はGM管の出来にかかっているのだと思うのですが、私が作ったものは果たしてうまく出来たのかどうか、自信を持って言うことはできません。この点でGM管が出来合いのキットならばある程度安心できるのだと思うのですが、本キットの眼目はそこにはないでしょう。たとえ失敗したとしても、GM管を実際に作ってみた体験は、測定機械について学ぶうえで非常にいい機会になったはずです。
これについては製作マニュアルに監修者の方の技術情報サイトが紹介されていますが、私の方からも同様のもので、「矢野・米村式GM管」について言及した論文がCiNiiに挙がっていることを紹介しておきます。

『小学生にも作れる静電気GM管-矢野・米村式GM管-』米村傳次郎
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集 (10), 34, 1993-08-09 日本物理教育学会
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003335880

 市民団体がしばしば叫ぶ「真実が知りたい」との言葉はすばらしい。真実を掴みたいと思っている皆さん、真実を自らの手で掴みましょう!根気の要る製作や調整作業に耐え、たゆまぬ知的探究心を胸に新しい知識を吸収し続ける者にこそ、真実の光が輝くのです。
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