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「Newton」6月号と「子供の科学」6月号を読み比べてみた

四月の記事では科学雑誌の中ではもっとも一般向けと思われる月刊誌の「Newton」と子供向け科学雑誌の草分けである「子供の科学」のそれぞれ5月号を読み比べてみました。

Newton (ニュートン) 2011年 06月号 [雑誌]Newton (ニュートン) 2011年 06月号 [雑誌]
(2011/04/26)
不明

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 「Newton」は震災から最新号までの刊行が半月しかありませんでしたので、速報という形でしかフォローできませんでしたが、6月号ではほとんどの紙面を地震解説と福島第一原子力発電所での原子力事故の解説に費やして、事実上の「総力特集」の様相を呈しています。
 緊急特集で冒頭は、やはり「子供の科学」5月号と同様に編集長による挨拶の言葉から始まっています。「ひとりひとりが正しい科学的能力を涵養することこそ、将来の日本にはとても大切なのだ。報道される内容を正しく判断できる力も国民に求められている。」と書いてあります。一般の大人向けと子供向けという差はあれど、「子供の科学」の編集方針ともわかりあえる思想ではないでしょうか。
 そしていたずらに乱用されている印象のぬぐえない「想定外」なる単語については、編集長自身がこのような言葉を許してきたことに忸怩たる感情を持っているような印象を受けます。

 さて、内容ですが地震解説としては、「子供の科学」の5月号にほぼ見合う内容の記事ですが、今後予想される超巨大地震については、超巨大地震に実際に対峙した私たちがどのように動けばいいのか、一定の指針を与えるのではないでしょうか。
 福島第一原子力発電所の原子力事故については、科学的な知識がないと理解することが難しい点もいくつかあるようですが、「Newton」では得意の詳細な図解を生かして、一般の報道と比べてもかなり分かりやすく解説されています。そして福島第一原子力発電所の原子炉の構造をチェルノブイリ原子力発電所のRBMK型と比較して、今回の事故がどのようなものであったか、多面的に理解できます。
 福島第一原子力発電所の事故で気になるのは、放射線による健康被害や放射性物質拡散による環境汚染ですが、この点に関しても、腰を落ち着けた解説で、一般の報道よりも冷静、詳細で信頼が置けるように思われます。本文中では「「放射能」とは本来「放射線を出す能力」のことだが、放射性物質を指すこともある」(p.62)として、一般の報道のフォローもしていますが、正直、一般の報道では「放射性物質」と「放射能」をどこまで区別できているのか、甚だ疑わしいようにも思われます。
 そして、福島第一原発については次号で「原子力と放射能」として、さらに掘り下げた緊急大特集を行う予定のようです。
 「Newton」は今年、刊行30周年を迎える雑誌で、一般の人からも人気のある宇宙についての大特集を二号にわたって組む予定のようでしたが、このような事故によって存在価値を高めてしまうことは、不幸なことであるように思われます。それをそれとしても、今号の「Newton」は永久保存版です。


子供の科学 2011年 06月号 [雑誌]子供の科学 2011年 06月号 [雑誌]
(2011/05/10)
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 対して、「子供の科学」6月号は、5月号ともども連載記事自体はあるのですが、こういった通常の連載の中から地震についてフォローしていこうという方針なのでしょうか。6月号の連載記事でも地震についてアツかった題材が多いように見受けられます。
 はやのんさんの漫画「GO!GO!ミルボ」では作者自身が海洋研究開発機構の研究員のところへ乗り込んで、地震について解説しています。「地震はただ地面が揺れているだけの現象ではなく、地球全体が海・大気と一緒に生きているあかしです」ということばは非常に印象的であるように思われます。
 「押忍!!数学道」も、なかなかに面白い。先の地震に際して募金に協力したいという意思は誰でもあると思うのですが、どれくらい寄付するかとなると、子供ならず私のようなビンボーサラリーマンでも悩むところです。それを経済学の限界効用逓減の理論を使って思考の道筋を示すのはひらめいている。チャリティの考え方についても、この限界効用逓減を踏まえて「贅沢と無駄遣いは、全く別のものである」としています。
 このほかにもアマチュア無線の連載でも災害無線についての紹介があり、カラーページでは屋上緑化について紹介されています。そして、特に地震を意識した記事ではないと思うのですが、消火器工場の紹介もいかにも「子供の科学」らしい記事であるように思います。
 アウトドアサイエンスは普通の内容に戻っていますが、まあ、もともと災害には強い内容の記事ですよね。ただ、この連載の担当の方は、すました顔で「想定外」という言葉について説明していますが、恐らくは「想定外」なる単語を多用している最近のニュースに対して、本当のところは大変強く怒っているのではないか、というのが私の感想です。
 「子供の科学」6月号では単発の大きな記事に読者レポートと放射線についての特集がありました。読者レポートの方は、メッセージが中心で情報価値は高くないように思われますが、一般の報道にはなかなか現れない子供の目線がわかるように思われます。そして、「知っておきたい放射線のABC」は、一般の報道ではなかなかピンとこない放射線について、子供向け雑誌ゆえこれ以上ないレベルでわかりやすく解説されています。同様の解説は「Newton」6月号でもあるのですが、一般の人でも自信のない方は、「Newton」よりも「子供の科学」を読んだ方がよいと思われます。原子核崩壊や電離作用についてはもう少しページを割いて説明した方がよいように私などは思うのですが、パート3「放射線の被害を防ぐには」あたりは、これだけでもわかるとだいぶ新聞も読みやすくなるはずです。
 その「子供の科学」も次号では遂に本丸の原子力発電所についての特集を行うようです。

 いずれの雑誌も、このようなニュースにおいてはもっと注目されてもいいように思うのですが…。
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