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東京大学の五月祭へ行ってきた

 28、29日は、東京大学の本郷キャンパスで行われていた五月祭へ行ってきました。

 五月祭は春に行われる学園祭の中で、もっとも大規模な学園祭です。野外ステージなどのライブ企画もあり、遊ぶ点でも大変充実しているのですが、そこは理科充を自任する私です。理系の企画をいくつか見て回りました。ここでは日時に特に関係なく、興味ある企画を紹介しましょう。

 工学部では電気系学科の学生たちが展示を行っていました。
 藤本研究室と掘研究室の合同展示では、ワイヤレス電力伝送システムのデモンストレーションを行っていました。
http://fujilab.k.u-tokyo.ac.jp/[外部サイト]
http://www.hori.k.u-tokyo.ac.jp/paper_2009/index.html[外部サイト]
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これはミニ四駆を利用したワイヤレスカーのコースです。

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コースの下には、こんようなアンテナがあることにご注目ください。このアンテナは、コースに沿って配置されていますが、給電されているのは一か所だけなのです。地上側だけでなく、車両側にもアンテナが搭載されており、共振現象を利用して電力を供給しているのです。

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ミニ四駆には電源が乗っていないことを確認してください。

 続いて、リニアモーターカーの展示と試乗会を行っていました。私も早速乗ってみました。
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 大変軽快に疾走します。
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 リニアモーターはすでに都営大江戸線でも利用されており、決して未来の技術ではありません。私はかつてつくば市で行われた科学万博に出展していたリニアモーターカーのHSSTに大変感激した記憶があります。私が子供の頃は「夢の未来技術」であったものが、いまや商業運用されているだけでなく、大学の学園祭のデモンストレーションに登場する時代なのです!

 理学部では地球惑星物理学科と地球惑星環境学科の二つの企画を見学しました。
 ふたつともそれぞれ独自の展示内容があるのですが、どちらの企画でも主要なテーマになっていた、東北地方太平洋沖地震について見てみましょう。
 今回の地震について地球惑星物理学科では、断層の動的破壊過程を電子計算機を利用した描画によって説明を行っていました。逆に、地球惑星環境学科では、学生さんが断層の震源部分の地形の立体模型を作って今回の地震について説明をしていました。
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 地球惑星物理学科の配布資料には掲載がないのですが、「震度」の定義については、今後の防災計画にかかわる、非常に重要な提案がなされており、これは配布資料でもダメ押しをしておくべきであったように思われます。
 従来、震度は体感的な値であるとされてきましたが、近年では地震計で測定した値を解析した値を震度として使うのです。地震にも多くの波動が混ざり合って、その中で総合的に震度を判断していくわけですが、ピークが偏っていると、激しく揺さぶられたように思えても、逆にタラタラとゆっくり揺れているように思えても、震度が同じということもありうるのです。
 従って、旧来の感覚で震度だけを取り上げて、建物の被害が一見、少なかったように見えたとしても、それは結果としてたまたま被害がなかっただけの話で、決して現状の防災対策に満足していいわけではありません。この点は地球惑星環境学科の配布資料では補足がありました。先の地震では周期0.5秒程度の短周期が卓越していたため、高層建築への被害は軽微に抑えられましたが、その代り震源地からはるか遠くの千葉県浦安市近辺では激しい液状化の被害を受けました。逆に、1~2秒周期の「キラーパルス」と呼ばれる周期が大きければ、高層建築に大きな被害を受けた可能性があります。地球惑星物理学科では、この点について大変に危機感を持っている学生さんがいて、熱心に説明を行っていました。
 以上を受けて、後半戦になる秋の学園祭の東京工業大学理学部惑星科学科や、気象大学校では、どのような研究発表を行うのかが、非常に興味深いところです。まあ、その前に海洋研究開発機構の一般公開で、ある程度の「正解」は出てきそうですが…。
 それ以外の発表を見てみましょう。地球惑星物理学科では、竜巻の発表が印象的でした。
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これは積乱雲の模型です。積乱雲の中でも竜巻を伴うことが多い、スーパーセルと呼ばれるものです。
これは中身を開けて、空気の流れを見ることができます。
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 そして、竜巻とスカイツリーも同じ比率で作ってあるのです。
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上の写真で、青くたっているものがスカイツリー、赤いのが東京タワー、そして左に竜巻があります。
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これは竜巻を実際に作り出す機械で、柏キャンパスからわざわざ借り出したのだとか。もちろん竜巻を実験的に研究するだけでなく、この学科ではシミュレーションが得意分野なのです。昨年の異常気象について説明した班も、やはりコンピュータシミュレーションによって昨年の気象状況の再現と、今年の夏の長期予報を独自に行っていました。個人的には晴れて暑くなるといいんだけど、オレばっかの事情でも仕方ないもんな(苦笑)こちらでも、実際に地球儀を作って、日本の夏が複数の要素によってもたらされたものであることを説明していました。一つの地域での気候変動が他の地域へ伝搬する様は、まさに地球がシステムであり生きているのだということを見ることができます。

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これに対して地球惑星環境学科では、フィールドワークを重視しています。ハワイでの現地実習の報告を行っている学生がいて、実際にハワイ周辺の島の地形と火山をジオラマを用いて解説していました。また、偏光顕微鏡を使った鉱物観察の実習についても説明があり、実際の講義で使ったノートや偏光顕微鏡を覗いて、自分で実際に操作することができます。実際に観察に使うときにはいろいろ理屈はあるのですが、普通の人が見ても、万華鏡のような素朴な感動があるはずです。先日の地震のように、自然は恐ろしい破壊力を持っていますが、それ自体がとても美しいものであることも想起しましょう。

 理学部は、さらに化学科の展示を見ました。展示規模はそれほど大きくはないのですが、物理化学系の展示では学生たちが実際に分光器を作って、スペクトルの観察を行いました。
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 そして、スペクトルのグラフを見て説明を受けるわけですが、結合によってはっきりとグラフに形が出てくるのは、非常に印象的でした。




 とまあ、ここまでは比較的「お堅い」展示がメインでしたが、ここで少し趣向を変えましょう。
 模擬店で私が一番笑ったのは、ミックスジュースを売っている模擬店の「西野電力」でした。

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 最近ではエネルギー問題が国民的な興味の対象になり始めています。そこで注目されている新エネルギーが、なんと
人力!
斬新過ぎるだろうwww

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 しかも、ロゴも○京電力のパクリ。これ、よくできてるなあ(笑)

 出展団体は、学生経友会インフラ部門という、経済学部の学生団体のみなさんたちです。将来はやはり、東○電力などのような電力系や上下水道、ガスなどの業界を目指すのでしょうか。
 このお店では、人力で発電してミキサーを稼働し、ミックスジュースを飲むことができるのです。
 まあ、いずれであるにしても、こんな面白い企画、乗らないわけにはいきません。さっそく私も挑戦しました。
 いやあ、自分で発電して作ったミックスジュースの味は格別ですなあ(笑)いや別に普通のミックスジュースですけど。
 しかしこの企画、ただ笑って終わる自爆企画ではありません。(どう見てもそうとしか思えないのですが笑)
 自転車発電機は、実際に漕いでみるとわかるのですが、発電しているときはペダルが非常に重くなります。これは物理の話になるのですが、誘導電流はコイルの運動を妨げる向きに流れるのです。従って、発電機のコイルを回転するためには、外から力を加えてこれを回す仕事をしなければならないのです。
 つまり、この踏み込むときの手ごたえこそがまさに発電をしている瞬間なのです。私たちは、この時に要する膨大な力の少なくとも一部を、核反応が持つ膨大な熱に頼っているのです。原子力が必要かどうかという議論は、ここでは敢えて避けます。しかし、エネルギー問題を議論するときには、この種の体験は、しておくとどのような見解を持つにしても、独自の立場をとることができることでしょう。実際、この自転車発電機は、某大学の理科教育の研究室では、配属時に「禊」のために必ず経験するとかしないとか(笑)
 ちなみに、西野電力さんではレンタルされたそうですが、教材業者のリテンでは、発電機ユニットが販売されており、購入することもできます。
http://www.riten.jp/shohin/354936/354936.html[外部サイト]
 いずれにせよ、このような企画を、工学部ではなく経済学部の学生さんたちがやるというのは、特に意義あることであるように思われます。産業には必ず現場があります。この企画をやった学生さんたちは、それを忘れることはないでしょう。

 五月祭の最後は、野外フェスの「KOMAMO」で、ぱーちー好きなみなさんの中に紛れ込みました。
 しかし、逆に考えてみましょう。わざわざ大学の中で野外パーティーをやるということは、むしろ私のような理科好きおじさんにこそ、アンダーグラウンドな文化をアピールしたいと考えているのではないでしょうか。
 雨の中、みなさん大変にアツいわけですが、私などがついていくのはとてもとても…。ただ、賑やかなのは好きなので、私も潜りこみました。
 さて、こちらは学生さんたちの全くの有志の活動のようです。お気持ちくらいは置いていきましょう。
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