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『新版 死の川とたたかう』

新版 死の川とたたかう (偕成社文庫)新版 死の川とたたかう (偕成社文庫)
(2012/04/18)
八田 清信

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子供向けなのですが、私自身、小学校の図書館においてあったこの本を何度も読んだことを思い出してふと思い立って購入しました。もともとは同じ偕成社のの「少年少女ドキュメンタリー」という子供向けのノンフィクションのシリーズで、他にも子供向けとしてはだいぶ重厚なノンフィクションの傑作が揃っていたシリーズでした。

死の川とたたかう―イタイイタイ病を追って (少年少女ドキュメンタリー)死の川とたたかう―イタイイタイ病を追って (少年少女ドキュメンタリー)
(1981/03)
八田清信

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イタイイタイ病の発見から原因の解明、そして裁判の結審へと一通り完結している内容で、この歳で読んでもなかなかに骨太なドキュメントでした。
公害問題を扱った本では、石牟礼道子の「苦海浄土」も読んだことがあります。世間的には文学的な評価が高い分「苦海浄土」の方が名著とされていますが、私にはむしろ子供向けで話の一部始終がわかりやすい分、名著かどうかは知りませんが、こちらの方が推薦しやすい本に思われます。むしろ子供たちには本書を読んでいただいて、科学者の良心とはどのようなものかもあわせて考えてほしいと思います。
 この本自体はそもそもの原書はちょうど40年前のもので大分古いのは事実なのですが、この時代に公害といわれていたものは今や地球環境問題と名を変えて、むしろより深刻なものとなっているのではないでしょうか。
 この本では原告側の全面的な勝利を持って、ともかくもそれなりのオチにはなっていますが、今後、この問題はより複雑に、深刻になっていくことは間違いないことでしょう。この本でも指摘されていたことですが、社会の意識の変化によってこうした問題への取り組み方が変わってくることに注目してください。足尾銅山鉱毒事件だって本来は十分に公害といいうる規模の事件であったはずですが、当時の意識と社会情勢ではローカルな問題でしかなかったわけですし、また、日本の近代化に貢献することこそが企業の社会的責任だったわけです。しかし、こんにち、公害問題は地球環境問題という包括的なテーマに統合され、地球という星が無限の資源を持った星ではなく、持続可能性に常に配慮する必要があるということが意識されるようになったのはせめてもの幸いに思われます。
 私の趣味の一つに学園祭めぐりがあるのですが、環境という単語がただの流行り言葉の類ではなく、文系の学生からも経済学などの実質を伴った議論とともに考察されるようになり、また手のつけられる身近なところから活動を行うサークルが登場しています。かつてのバブル時代の大量消費を前提にした愚かしい学生生活ではなく、よく学び、よく動く中で交流する楽しみを見出している学生団体が登場していることに希望を持ちたいと思います。いずれ地球環境問題は基本的に広範な科学的知識が必要とされる問題ですが、文系でも経済学だけでなく環境教育を中心に教育学、倫理的な問題を中心に哲学倫理学神学部仏教学など、やはり広範な学問が必要となることでしょうし、また多くの学問で重要なトピックとなってくることでしょう。
ぜひ、学生時代に学ぶのは前提として、よく遊んで多くの分野の学生と交流してください。それはきっと広い視野となって将来の活動ができるようになることでしょう。
 私は、自分のブログでことごとに「所縁を放下すべき時代だ」と述べています。精神論だけで地球環境問題をどうのこうのできるものではありません。ただ、自分たちの生活を常に見直し続けるべきだと述べたいのです。年毎に変わっていく流行もののファッションに左右されず自分で服を作る、電子回路を自分で設計して自分で面白装置を作る、サークルでボランティア活動をしながら交流を深める…、別に年毎に変わるスキーウェアを買っては処分するようなバブルの陋習のようなマネをしなくても、十分に楽しく暮らすことはできるし、そうした希望は若い学生さんたちの活動と、「方丈記」のような古典にあるのではないでしょうか。

こうした古い本が子供向け文庫に収録される意味は、ひとえに温故知新でしょう。先人たちの経験を知って、こんにち切羽詰っている地球環境問題に専門知識を持って世界に飛び込んでいける、もしくは地域の小さななところから活動できる人材が一人でも増えるようであれば幸いです。




さて、この記事を書いているときにこのような記事を目にしました。

中日新聞「全面解決 きょう合意書 イタイイタイ病、三井金属」
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2013121702100008.html[外部リンク]

これをもって、イタイイタイ病に関してはいちおう、収束したと考えてよいのだと思うのですが、あとに残された私たちには、不幸な公害病があったことを語り継ぎ再発を防ぐ、そして身近なところから環境に関しての意識を持ち、地球全体への思いを馳せることです。
私は、大学生たちが各大学で行っているような環境活動サークルや、自然観察サークルなどの活動、環境問題等のゼミでの学びにとても期待しています。しかし、期待しているだけでは仕方ありませんし、そのための行動も必要なことでしょう。必要なことはこうした大学生たちの動きに連動して私たちも動くことです。では私たちはなにをすべきか、それはゴミをきちんと分別して出すことです。
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